海外在住者がVPNを利用する理由

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夫が新しくメキシコに赴任してこられた方からVPNの設定や使い方について質問を受けました。

しかしうちの夫はIT系知識にはどうも弱くて、質問がそっくりそのまま私のほうに飛んできました。

日本に住んでいたらあまりVPNを個人で使う機会はないので「VPNがよく分からない」という方はやはり多いのかなと感じましたので、改めて『海外在住者がVPNを利用する目的や具体的な使い方』についてまとめてみました。

VPNってなに?海外在住者がVPNを利用する目的って?

VPNとはVirtual Private Networkの略称です。日本語に訳すると『仮想専用線』となりますがこれだけ聞いてもあまり意味が分からないですよね。

日本国内ではVPNは個人利用ではなく企業が利用しているのがほとんどですので、IT業界にかかわっていないと耳にしたことがないかもしれません。

 

では、海外在住者が個人的にVPNを利用する目的は一体何なのか?

それは主に以下の2つのいずれかであると思われます。

  1. 日本国内からのアクセスでしか視聴・閲覧できないWEBサイトを見たいから
  2. セキュリティ性の高い通信環境を使いたいから

夫の会社の方とお話したかんじでは、皆さん【1】のためにVPNを使用している印象です。

かくいう私も【1】が9割、【2】が1割くらいでしょうか。

 

海外で生活していても日本のテレビ番組が見たいという日本人はきっと多いと思うのですが、最近流行の動画配信サービス(ビデオオンデマンド)は日本国外からアクセスだと利用できないことがよくあります。

実はこういったサービスは日本国内在住の方向けに配信されているので、海外在住者が視聴しようとすると弾かれてしまうという仕組みになっているのです。

ずっと日本に住んでいるとなかなか気付かないですよね。私もメキシコへの引っ越しが決まって色々と調べている過程で気付きました。

 

どういう仕組みで海外からアクセスしていると分かるの?

先ほど「日本国内限定のビデオオンデマンドは、日本国内在住の方向けに配信されており、海外在住者が視聴しようとすると弾かれてしまう」と書きましたが、一体どういう仕組みで「この人は海外に住んでいる」判別されているのか?について簡単にご説明したいと思います。

 

日本国内からアクセスしているのかどうかについては、IPアドレスというもので判別されています。

IPアドレスとはインターネット接続すると必ずすべての端末(PC、スマホ、タブレット)に付与される端末固有の情報のことです。

IPアドレスは数字で構成されており、国ごとに使用できる数字の範囲が決まっているのでこれによって「どの国からアクセスされているか」が判別できるようになっています。

 

通常、海外在住者がインターネット接続して日本国外向けサービスを行っていないサイトへアクセスすると「海外からアクセスされている」と判別され、ブロックされてしまいます。

しかし日本のVPNに接続してからアクセスすれば、本来持っている海外IPアドレスが日本のIPアドレスに書き換わるので、サイト側では「日本国内からアクセスされている」と認識され、ブロックされずに視聴が可能になるというわけなのです。

 

VPNサービスの選び方

VPNサービスを提供している会社は複数あります。無料で提供されているものから有料のものまでさまざまです。

 

無料VPNよりも有料VPNのほうがやはりセキュリティ面、通信速度、初心者向けの設定サポートなどサービスが充実しています。

VPNを初めて利用する初心者の方には有料VPNをおすすめします。

無料VPN

無料VPNで最も有名なのは、筑波大学が提供しているVPN Gateです。

→筑波大学 VPN Gate

ちょっとサイトの作りがややこしくて分かりづらい点がありますが、提供元がしっかりしているので無料で利用できるVPNの中では信頼性は高いほうだと思います。

しかし、有料VPNに比べるとやはり通信速度・セキュリティ性といった点が劣るようです。

有料VPN

有料VPNを提供している会社は様々なところがあるようですが、我が家はメキシコ在住中インターリンク社のセカイVPNを利用していました。

セカイVPNは接続方法がとても簡単でしたし、3年間利用していて特に大きなトラブルもありませんでした。

セカイVPNの良いところは、最大2カ月無料で利用できるところでしょうか。
一部の動画配信サービスではセカイVPNを利用しても海外アクセスだと分かってしまって利用ができないという噂があります。

私がメキシコ在住中に利用したAmazonプライム・ビデオ、TVer、Netflix日本版などは特に問題ありませんでしたが、無料期間があるのなら「自分が利用したいサービスはセカイVPNで利用できるのか?」をじっくり検証することができますよね。

もしお目当てのサービスがセカイVPNで利用できなければ、2カ月経過する前に解約すれば一切費用はかかりません。

 

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VPN契約したけど…どうすればいいの?

我が家はセカイVPNを利用していますので今回はセカイVPNを使った接続手順についてご説明しますが、どんなVPNを使っていても基本的には以下の流れです。

  1. VPNサーバーへ接続
  2. 目的のサイトへアクセスする(スマホの場合はアプリ立ち上げなど)

セカイVPNの場合(PC)

  1. インターリンク社が提供している「コネクトマネージャー」というアプリケーションをインストール
  2. 接続先VPNサーバーを選択
  3. ユーザー名とパスワードを入力(アカウント情報は契約完了後、メールで送られてきます)
  4. 接続ボタンを押す
  5. 接続完了後、目的のサイトへアクセス

コネクトマネージャー

ちなみにセカイVPNの接続先は日本だけでなく、アメリカ・ドイツ・韓国・台湾が存在しますが日本以外は特に使うことがないかなと思います。

日本のサーバーは10個ありますが基本的にどれ使ってもOKです。

インターネットでラジオが聴ける『radiko』を利用するときだけは注意。PCでradikoを利用すると、自分がアクセスしているサーバーのIPアドレスによって放送局が変わるんです。

私は関東地方の放送局でどうしても聴きたい番組があったので、アクセスポイントが東京になるものを探しました。

接続先

 

また、セカイブラウザという専用ブラウザを使うともっと簡単にVPN接続ができますが(接続先は常に日本)個人的にブラウザはChromeが好きなので使っていません。

セカイVPNの場合(タブレット・スマホ)

(※キャプチャはiOSのものなので、Androidだと多少違うかもです)

  1. セカイVPNのアプリをダウンロード
  2. ユーザー名・パスワードを入力(初回のみ。2回目以降は記憶されてます)
  3. 接続ボタンを押す
  4. 接続完了後、目的のサイトorアプリへアクセス

 

セカイVPNアプリ、なんだか評価が悪いですが…メキシコでは普通に使えています。中国はネットワーク制限が厳しいようなので使えなかったりするみたいですね。

アプリ

ユーザー名・パスワードを入力した後の画面はこんなかんじ。かなりシンプルです。

接続画面

 

電源マークのボタンをタップして、ボタンの色が緑色に変わったら接続成功です。

接続画面

iPhoneの場合、VPN接続中は左上に「VPN」というマークが常時表示されています。

マーク

 

具体的にVPNをどう使えばいいの?

海外在住者がVPNを利用する理由として最も多い、「日本国内からのアクセスでしか視聴・閲覧できないWEBサイトを見たい」という場合の具体的な操作方法について説明していきます。

<参考例>海外からTVerを視聴しよう

今回は、民放TV番組の見逃し配信を行っているTVerを例に解説します。

まずサイトへアクセス

VPN接続がないとどうなるのか?ということもご説明したいので、まずはVPN接続なしの状態でTVerへアクセスしてみます。

2019年4月時点では、TOP画面や番組一覧ページは普通に表示されました。今のところTOPへのアクセスでいきなりブロックはされないようですが、今後変更される可能性はあると思います。

番組一覧

VPNを利用しないとどうなるか?検証

ドラマ、バラエティ、アニメなど魅力的な番組がたくさんあります。

その中から、見たい番組名をクリックしてみます。

エラー画面

エラーが発生してしまいました。

 

お分かり頂けましたでしょうか。

TVerでは海外からアクセスしていた場合、番組一覧の時点では特に制限をかけていないようですが、動画再生時にIPアドレスの判別をしてブロックを行っているようです。

そのため、海外から接続していると動画再生の時点でエラーが発生してしまいます。

他の動画配信サービスについてもどうなるかいくつか調べてみましたが、TVerだけでなくほとんどが動画再生時にIP判別を行っているようでした。

VPNを利用してTVerを視聴

それでは、VPNを使ってTverを視聴するための正しい手順についてご紹介します。

  1. VPNに接続する
  2. TVerにアクセスして動画視聴

これだけです!

VPN接続の初期設定は少しややこしいですが、2回目からは接続ボタンを押すだけなので非常に簡単です。

公共Wi-FiではVPNを使った接続が望ましい

私が海外でVPN利用する理由の残り1割、セキュリティ対策に関する話です。

みなさんカフェ・レストラン・ホテルなどなど…外出先でWi-Fi利用する機会があると思います。

プリペイドチャージ式のSIMカードを使用されている方も多いかと思いますし、外でWi-Fiが使えれば通信料の節約ができて便利ですよね。

 

しかし、公共の無料Wi-Fiは利便性を求めるあまりに暗号化されていないことがあり、それゆえ簡単に通信を傍受されてしまう可能性があることをご存知でしょうか。パスワードがあるから安全だとも言い切れません。店内の壁にパスワードが書いてあったり、レシートに書いてあったりって比較的簡単なパスワード入手方法です。

ひどいときには、悪意のある人が個人情報を盗む目的でWi-Fiアクセスポイントを設置しているなんてこともありますので、よく分からないアクセスポイントへはむやみに繋いではいけません。(うちの夫は何度注意してもよくやりがち)

こういったときに便利なのがVPN。VPN接続してからWi-Fiに繋げば通信内容が暗号化されるので容易には通信内容を傍受できなくなり、第三者による情報の盗み見や改ざんを防ぐことができるのです。

 

とはいえ、私もそこまで外出先で厳密にVPNを使用しているわけではありませんが…外でWi-Fiに繋ぐときはあまり重要な操作はやっていません。スマホゲーやったり調べものしたりくらいかな。

ちなみに過去にメキシコ国内にある某ビジネスホテルに宿泊したら、パスワードなしWi-Fiだったため私のiPhoneが「信頼できないネットワーク」だと断言してきたことがあります。

そういうこともあるので、予めスマホにVPN設定を入れておけばある程度は安心できるかと。

セカイVPNは1アカウントで3台まで同時接続できるので、自分のPC・自分のスマホ・夫のスマホの3台に設定を入れています。

難点は通信速度が遅くなることでしょうか。セカイVPNだとあまり速くありません。速度重視のVPNもあるみたいですが、外出すること自体がさほど多くなく、夫も私もプリペイドSIMじゃないので今のところ乗換を検討しておりませんが…。

 

絶対に漏洩しないというわけではありませんので、VPNをあまり過信しすぎるのも良くありませんが、現時点では公共Wi-Fiを使う際のセキュリティとして最も有効であるとも言われています。

 

せっかくVPN契約していても動画見るときに使うだけでセキュリティ対策に使わないのはちょっと勿体ない気もするので「こういう使い方もあるよ」ということで書いてみました。

 


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