ソチミルコとは
メキシコの首都・メキシコシティは元々大きな湖だったところを埋め立ててつくられた街だというのは有名な話。
地盤がゆるいため年々少しずつ沈んでいて、よく見ると道路の端が沈んだり変形していたりするんだそう。
たまに観光に来る程度ではあまり実感することはないので「ここ昔は湖だったんだってー」「へえー」レベルなのですが、メキシコシティ中心部から南へ30kmほど行ったところにあるソチミルコには水路があり、ここではかつて湖だった名残を見ることができるのです。
ソチミルコは世界遺産にも認定されており、メキシコでは有名な観光スポット。水路の水はあまり綺麗とは言えませんが、トラヒネラと呼ばれるカラフルな小舟に乗ってのんびりと遊覧するのが楽しい場所。
派手な色使いのトラヒネラがずらりと並んでいる様子はインスタ映えしそうな景観です!
Fernando Celada乗船場
ソチミルコはとても広く、なんと乗船場は11カ所もあります。
中にはぼったくりがひどいという噂の乗船場もあるようですが事前にネットで色々調べてみた結果、数々の旅行者さんたちがオススメされていた「Fernando Celada」という乗船場へ行きました。(ありがとうございます!)
「Fernando Celada」への行き方などについては後のほうで書いております。
価格
「Fernando Celada」に到着すると、まず目に飛び込んでくるのはこの大きな看板。最初にきちんと分かりやすく価格を提示してくれている親切設計。
2-3年前は350~400ペソくらいだったようですが、価格が高騰しているのか2020年3月現在では500ペソでした。
しかしこれは1人あたりの価格ではなく、1ボートあたりの価格なので1人乗っても2人乗っても1時間500ペソです。
20人まで乗船できるそうなので、人数が多ければ多いほどお得なシステム!
ちなみにこのソチミルコには人形島というホラースポットがあるのですが、人形島は遠いので4時間コースで申し込まないと行けないそうです。夫も私もホラー系はあまり得意ではないので行っていません。
一応1時間コースでも人形島のレプリカ島へは連れて行ってもらえます。あまり時間がない方や「本物の人形島は怖すぎるから行きたくない」という方はレプリカ島でなんとなく雰囲気程度は楽しめるんじゃないかなと思います。
本物の人形島へ行きたい方はググったら出てくると思うので自己責任で調べてみてください。
乗船場の様子(AM10:00)
午前中だったためか、乗船場には私たち以外のほかに2組程度しかお客さんがいませんでした。
乗船場へ到着したらすぐに勧誘のお兄さんたちがやってきましたが「あとで乗るから先に写真だけ撮らせて」と言うとしばらくそっとしておいてくれました。
時間帯の問題かもしれませんが、別の乗船場と比べると周辺にはほぼ屋台がなく思っていたより静かな雰囲気。
賑やかな雰囲気を楽しみたいのであれば、お昼ごろに来たほうがいいのかもしれません。私たちは静かにのんびりしたかったのでちょうどよかったです。
2時間コースにするかどうか少し悩みましたが、夫が途中で飽きちゃうかな?と思ったので1時間コースを選択。
船上で飲食物を購入することもできますが、持ち込みもOKです。私たちはそんなにお腹が空いていなかったのでジュースとポテチだけ持ち込みました。
出航!
無事船に乗り込んだら出発!整然と並ぶカラフルなトラヒネラの間をかき分けるように進んでいきます。
「この一番狭くなっている部分はいったいどうやって通るのか?」と個人的にとても気になっていたのですが、船頭のおっちゃんがいま乗っている船体をこの並んでいるトラヒネラの一部にゴン、と当てると…まるでモーセが海を割ったかのごとく、トラヒネラが次々に端へと寄って道を開けていくではないですか!
聞けば船頭のおっちゃんは船頭歴35年の大ベテラン。あまりにもそのワザが凄くてもはや芸術の域だったので、私は勝手に「巨匠」と呼んでいました。(以降「巨匠」表記でいきます。笑)
長い棒一本でこんな大きな船を操る巨匠。とても穏やかで親切な方でした!
船上で飲み物と食べ物を購入
巨匠の軽やかな船捌きで船はどんどん水路を進んでいきます。
だんだん暑くなってきたとはいえ、このあたりではまだ夏本番という時期でもないのでちょうどいい気候で気持ち良かったです。
全然人がいないのでほとんど他の船とすれ違わず。やっと別の船が出てきたなーと思ったら船上販売の船でした。
夫が最初は断ろうとしたのですが「ミチェラーダもあるよ~」の言葉に「ミチェラーダ!?」と反応。その声色の変化を感じ取った巨匠がすぐさま減速し、船が横付けされました。笑
夫氏、待望のミチェラーダ。価格は80ペソ。「ちょっと高い?」と思った方、よく瓶を見て下さい。これ1.2Lもあります。
私はミチェラーダ…というかビール自体を飲まないので、すべて夫が一人で飲み切っていました。
せっかくなので私はケサディージャを注文。具はキノコを入れてもらい、激辛サルサをたっぷり塗ってもらいました。
あああ~これがたまらんのじゃ~!美味しい!!
価格は30ペソ。船上販売なのでもっと高くついたりするのかと思ったけれど、ミチェラーダもケサディージャもそこまで高くないなという印象でした。
しかし「お釣りがない」と言われる可能性が高いので、船上で飲食物を注文するつもりなら細かいお金の用意をお忘れなく。
船の上でたくさんビールを飲んでいるとお手洗いのことが気になるかと思いますが、ソチミルコにはちゃんとトイレ島が存在します。
お手洗いに行きたくなったら船頭さんにトイレへ連れて行ってほしいとお願いしましょう。
レプリカの人形島
【閲覧注意】私たち自身がホラー苦手なのでガチでこわいかんじの人形の写真は撮影していませんが、大きなくまのぬいぐるみが首吊ってるみたいなややショッキングな写真はあります…。
Fernando Celadaで1時間コースの場合、レプリカの人形島まで行ってそこで折り返しでした。
巨匠いわく「本物の人形島は遠いから、そこまで行く時間がない人のためにレプリカ島をつくった」とのことでした。
ここには小さな小屋がポツンとたっていましたが、中には不気味な人形がびっしり!入り口に飾られている人形は雨風に晒されて朽ちかけているものもあり、レプリカ島とはいえ、わりと雰囲気が出ていました。
中に入っていいし写真も撮っていいよ、と巨匠に勧められましたが「入りたくないしあんまり撮りたくない…」と夫。私も同意見。(ホラー系にあまり耐性がない2人)
木に縛られた巨大くまのぬいぐるみ。「えっと…これ首締まってるよね?」と思って横からも確認したらやっぱり締まってた。
夫が「ちょうど横に椅子が置かれているのが、首吊って自殺したみたいな演出だよね」とか言い出す。ええー、なんでそんなこわいことに気付いちゃうんだよー!!
不気味ではありましたが、明るい午前中だったので太陽の光がまだ少しマイルドにしてくれていたように思います。
ちなみにレプリカ人形島にも一応トイレがありまして、このくまのぬいぐるみの後ろにある緑のドアがトイレです。
私は利用しませんでしたが、夫が「衛生的にやばかった」と言っていたので、女性が利用するのはかなりきついかもしれません。
さっきはこわい画像だったので美しいソチミルコの写真で中和してみる。
水面に光があたって、木々の緑が反射している状態だとけっこう綺麗に見えますね!
(この写真は少し明るさと彩度いじくってますが)
ソチミルコには水鳥が多く生息していて、のどかな雰囲気でした。ちょうど「魚ゲットだぜ!」な瞬間の鳥さん。
巨匠はもう少し時間延長してほしそうでしたが、夫が案の定「あと1時間は長すぎる」と言っていたので予定通り1時間コースで終了。
たしかにあと1時間は飽きるかもしれない。1時間でも雰囲気はちゃんと楽しめました!
元の乗船場へ戻る前に私たち2人の記念撮影をしてくれたり、とても快適な船旅だったので、巨匠にチップを多めに渡したらとても喜んでくれたのでよかったです。
その他乗船場について
過去にソチミルコへ行った方々のブログなどを拝読すると、駅を出てすぐに首からプラカードを下げた人たちが誘導してくるのは悪質なぼったくり乗船場関係者とのこと。
たしかにソチミルコ駅を出ると「乗船場はこっち!」と案内してくる人が沢山いました。
私たちはそれを無視してFernando Celadaへ向かったのですが、なんとFernando Celada乗船場の向かいの道にまで案内係がいて「あっちのほうが公式だ!大きいしマリアッチもたくさんいる!」と誘導してきたのには驚きました。
信号待ちのときに話しかけられたのですが、道を挟んですぐ目の前にFernando Celada乗船場があるのに別のところに案内しようとするんですよ?これって営業妨害にならないのかしら…さすがにやりすぎじゃない?と正直ドン引きしました(;’∀’)
様子を見に行ってみた
Fernando Celadaで下船後、夫が「ソチミルコのマグネットが欲しい」というので周辺を散策していたのですがなかなかお土産物屋さんが見当たりません。
(一応乗船場には小さなお土産の屋台があってマグネットは売っていたのですが、気に入るものがなかったようです)
そのため夫が「別の乗船場のほうにならあるかな?」と言い出したので、土産物屋を探しつつそちらのほうへ向かってみることにしました。
結論から申し上げますと本当にぼったくりなのかどうか?まで確認はできませんでした。
ただ色々と思うところはありましたので、私たちが感じたことを書いてみます。
実はFernando Celada乗船場で私たちは勧誘係の方にパンフレットを頂いておりました。それがこちら。
パンフレットには各乗船場の位置が書かれており、上のほうに分かりやすくハッキリと1時間500ペソで1人ずつの価格ではないと記載されています。
私たちが見てきたのは4番のCaltongoという乗船場のようです。地図は全く見ずに誘導されるがままに歩いて行ったらここにたどり着きました。
Fernando Celadaに比べるとCaltongoのほうが周辺にお店や屋台が多くて賑やかな雰囲気でした。「あっちの乗船場のほうが大きい!」という主張はあながちウソではないようですが、「あっちが公式だ!」というのはさすがにウソ。
パンフレットを見る限り、どちらも公式の乗船場として認められているようです。
ちなみに4番付近には乗船場が密集していますが、このあたりの乗船場では過去にぼったくられたという情報が非常に多いようです。
価格
Caltongo乗船場へ向かっている途中、案内役のおっちゃんに「いくらなの?」と何度か聞いてみたのですが、頑なに価格を教えてくれず「公式!」「大きい!マリアッチたくさん!」などと同じことしか言いません。そういうマニュアルでもあるんでしょうか?
乗船場にたどり着いた後は、すぐさま勧誘がきたので価格を聞いてみたのですが、やはりなかなか教えてくれません。
ここは広くてマリアッチが多くて…ってああ~それもうさっきから何回も何回も聞いたやつ!質問にちゃんと答えてよ…。
Caltongoでも写真撮影したのですが、撮っている間も勧誘がしつこくて集中できなかったためかあまり良い写真が残っていませんでした。
個人的にはロケーション的にも、Fernando Celadaのほうが写真が撮りやすい気がします。
なぜならFernando Celadaは乗船ポイントが階段の下にあるので、階段上からいいかんじに全体写真を撮ることができるから。
Caltongoはあまり高低差がなく、俯瞰で撮れるポイントはなさそうでした。(勧誘がうるさくてあまり周囲を見渡す余裕もなかったんですが)
写真も撮ったしお土産を買って帰ろう、と元来た道を戻り始めたところでようやく勧誘担当が「1時間500ペソ!」と言ってきましたがスルーしました。Caltongoでは乗船していないので本当にその価格なのかは確かめきれていません。
Fernando Celadaで乗船後に来たので元々こちらで乗船するつもりはなくお土産だけ買いに来たつもりでしたが、最初にこちらへ来てもあまりここで乗りたい気分にはならなかっただろうな…と思いました。
理由は後述します。
船に乗るなら信頼できそうな乗船場で
夫がわざわざ別の乗船場まで行こうと言い出したときは正直「こんなに暑いのにまた別のとこ行くの…?!」と思ったものですが、まあブログネタ的にも良かったかなと思っています。笑
しかしCaltongoでは少し嫌な思いをしました。箇条書きでまとめますが、こんなかんじ。
・価格を聞いてもなかなか教えてくれない
・案内係が感じ悪い(私たちの拙いスペイン語をバカにするような言動をされました)
・ストーキングされかけた(断っても「英語に翻訳する」と言ってずーっと着いてこられました。お土産屋さんまで着いてこられて怖かった)
・「コロナ」って呼ばれた(Fernando Celadaではそんなこと言ってくる方、1人もいなかったんですけど!)
以上のことから、こちらの乗船場はオススメしたくないかんじ。
やはりトラヒネラに乗るなら信頼できそうな乗船場を利用するべきだと感じました。
これはあくまで私の妄想ですが、もし万が一船頭さんが船上で「●●●ペソ支払わなきゃ乗船場まで帰さないぞ」なんて言い出したら、自分の身の安全を確保するためには言われたまま支払うしかないですよね?
極端な例かつ私の妄想ではありますが、そういうことを考えると不信感を抱いた乗船場は利用してはいけないと思うのです。
ソチミルコでぼったくられたり、嫌な思いをしたくない人は「Fernando Celada」乗船場に行くのがおすすめ!!
ソチミルコへの行き方
メトロを使うのは少し不安があったので、私たちはUber+路面電車(Tren Ligero)で行きました。
TasqueñaまでUber移動
まず、Tasqueñaという駅までUberで移動します。
Tasqueñaには南バスターミナルもあるのでそちらと間違えないようお気をつけください。
UberだとなぜかメトロのTasqueña駅が指定できなかったので、私たちはこのあたりでおろしてもらいました。
(Google Mapsでは「バスターミナル」ってなってるけど、ピンが立っているところはローカルのバス停だったと思います)
ここから北方向に、超ローカルな屋台やらがたくさん立ち並んでいるところをずーっと歩いていくと歩道橋が出てくるので、そこを上がるとすぐTasqueña駅でした。
メトロ利用派はTasqueñaまでメトロで移動してください。メトロとTren Ligeroの駅は接続しているので乗換はすぐわかると思います。
Tren Ligeroに乗車
Tasqueña駅でTren Ligeroに乗って終点・ソチミルコまで行きます。
乗車にはICカードが必要でした。メトロやメトロブスなどでも利用できるICカードです。
だいたい30分程度で終点のソチミルコに到着します。
徒歩で乗船場へ
ソチミルコ駅を出るとおそらく「乗船場はこっち!」と誘導してくる人がたくさんいると思いますがスルーしましょう。
乗船場行きの看板も多く見かけますが、おそらくどれも案内係と同じ方向を指し示すものばかりだと思います。
私がオススメするFernando Celadaへ行くには、
駅から出たらそのまま左側にUターン(クアウテモック通りを西方向に歩く)
→2ブロック歩いて右折
→グラディオラス通りに出るのでそのまま直進
で行けます。
方向音痴じゃない人なら、道順を記憶して歩いて行けるくらい簡単です。Fernando Celada行の看板はほとんど立っていませんので、方向音痴な方は地図アプリを頼りましょう。